2011年11月16日水曜日

2011年7月10日日曜日

「鉢と温室」

「鉢と温室 -planning to plant-」

Re:「rythm-tatatatan」


 誘拐犯が、逮捕された。
 殺人犯でもあるかも知れないと聞いた。
 あたしは家の裏庭にある温室にいった。警察のひとが入ってくる前に。
逮捕されたのは、あたしのお兄ちゃんだ。

 いつも一緒に温室で時間を過ごしたお兄ちゃんが、いなくなってしまって、あたしはひとりになってしまった。水遣り用のホースも、スコップも、がらりんと転がっていて、お兄ちゃんはもういない。


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2011年2月6日日曜日

rythm-tatatatatan-

花を食べるのは、イケナイことだよ。
彼女は赤が好きだったの。

2011年1月30日日曜日

「ひがんのひ」

「ひがんのひ」

Reply to shiki:「○」



 自分というものの中へ、中へと思いを沈めてゆくと、いつの間にか、何処とも知れない場所に居ることに気付くときがある。自分の奥へ奥へと指を入れていったときに、そこが見知らぬ粘膜であるときのように、自分へ、自分へと入っていくと、いつの間にか自分ではないような心地がするのである。自分のことについて考えていたのに。内向きに、内向きに、考えを重ねてきたのに何故、それがふと気付くと自分ではない空間を見ているのであろうか。「わたし」という空間は、本当は、無いのか。「わたし」は「わたし」という感覚や思考の容れ物だと思い込んでいるようだが、それが違うことであって、思い違いなののか。「わたし」は容れ物などではないということか。

 娘は眠っている。すやすやと、安穏に眠っている。わたしは娘のセーターを編みながら、お仏壇のなかに居る、祖母の話を聴いていた。
「まるで火の玉がねえ、幾つも、幾つも、飛んだものよ──」
 そうなの、と相槌を打つ。祖母はお仏壇の、白黒写真のなかで、少し遠い目つきになる。写真立ての額縁に、少し埃が付いてしまっているのが目についた。祖母はそれには頓着せず、また云った。
「丸かったわ。鬼火はね、どれも丸かったのよ」
 祖母は吐息をこぼして、そしてまた確認するかのように、繰り返す。
「丸かったわ」


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2010年11月24日水曜日

2010年11月18日木曜日

聊斎志異かぶれ



 
夢のなかに眼がある。私の眼だ。
眼は、夢の世界を視て、何があったかを話してくれる。
だから私はいつでも夢を憶えていられる。

例えばこんな夢。
まるで中国の旧いお話のように。
私の夢のなか、男は蝶になる夢をみる。
あの男の夢のなか、蝶は水辺で息絶える。
息絶えた蝶は彼女に生まれ変わった、そう、あの彼女のこと。
彼女は多くの子どもを産み、そして子どもたちは国を作った、そう、この島もその一部。
この島が大地に繋がるその根元には、三匹の海亀が眠っている。
海亀の夢のなかに居るのは勿論象だ。当たり前のこととして。
象が背負っているのが、それが世界で。
その世界のお話をしてあげているのがこの私。

だから娘よ、お眠りなさい。
夢をみなさい。
またお話をしてあげるから。

いつでも、何度でも。

何の話でも、してあげるから。


2010年11月2日火曜日